でんきちBRANCH調布 三鷹通り店【家電量販店でんきち】です。
これまでこのブログでは、三鷹市に残る鉄道の記憶や国立天文台、大沢の里、山本有三記念館周辺など、さまざまな場所をご紹介してきました。
今回は少し時代をさかのぼり、三鷹に残る「古代の記憶」に目を向けてみたいと思います。
ご紹介するのは、大沢の里・自然観察路の中にある「出山横穴墓群8号墓」です。
三鷹というと、文学や鉄道、天文学など、比較的新しい時代の歴史を思い浮かべる方も多いかもしれません。
しかし、今の街並みができるはるか昔から、この土地には人々の暮らしがありました。
現在の三鷹を歩きながら、約1400年前の人々の存在を感じることができる場所。それが、出山横穴墓群8号墓です。
斜面に造られた「横穴墓」
出山横穴墓群は、丘陵の斜面を横方向に掘って、その中に遺体を埋葬した古代の墓です。
こうした横穴墓は、古墳時代の後半から終末期にかけて造られた墓の一つとされています。
出山横穴墓群ではこれまでに10基の横穴墓が確認されており、そのうち8号墓は、現在も現地で保存・公開されています。
8号墓は、入口部分に特徴的な石積み構造があることでも知られています。
普段「古墳」と聞いて思い浮かべるような大きな墳丘とは異なり、斜面に横穴を掘って造られているところが、横穴墓の特徴です。
実際の場所を見てみると、古代の人々がどのように墓を造ったのか、その構造を身近に感じることができます。
約1400年前の三鷹に暮らしていた人々
出山横穴墓群8号墓は、7世紀頃に造られたと考えられています。
今から約1400年前といえば、現在の三鷹駅も、住宅街も、もちろん今のような道路もありません。
では、その頃のこの地域にはどのような人々が暮らしていたのでしょうか。
出山横穴墓群からは人骨や須恵器などが確認されており、当時の墓制や人々の暮らしを知るための貴重な資料となっています。
特に8号墓では4体の人骨が確認されており、出土した須恵器からも、この横穴墓が7世紀頃のものであることが考えられています。
目の前にあるのは一つの古い墓ですが、そこからは、当時の人々の存在や埋葬の文化まで知ることができます。
三鷹に残る「古代の風景」
出山横穴墓群があるのは、大沢の里・自然観察路の中です。
現在は緑豊かな散策路として親しまれている場所ですが、その周辺には野川や国分寺崖線などの地形が残されています。
三鷹市内には、出山横穴墓群以外にも横穴墓が確認されており、野川周辺には古代の遺跡が点在しています。
つまり、この地域には現在の街並みができるよりもずっと前から、人々の暮らしの痕跡が残されているのです。
大沢の里を歩くと、どうしても現在の自然や水辺の風景に目が向きます。
しかし、その景色を少し違う角度から見てみると、そこには何百年、何千年という長い時間の積み重なりがあります。
現地で見ることができる8号墓
出山横穴墓群8号墓は、発掘調査後に保存整備され、現在は保存・公開施設として一般に公開されています。
施設は大沢の里・自然観察路内にあり、無料で見学することができます。
内部には、発掘調査によって明らかになった横穴墓の構造を見ることができるほか、当時の様子を知るための展示もあります。
説明を読んでから実際の横穴墓を見ると、単なる「古い遺跡」ではなく、ここで行われていた埋葬や、当時の人々の暮らしについて具体的に考えるきっかけになります。
大沢の里を散策する際には、自然だけでなく、こうした歴史の痕跡にも目を向けてみたい場所です。
アクセス
所在地:東京都三鷹市大沢二丁目1097番1(大沢の里・自然観察路内)
アクセス:JR三鷹駅南口からバスで「竜源寺」下車、徒歩約5分
公開時間:午前9時30分~午後4時
休館日:毎週火曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
入場:無料
※公開日時や利用方法については、訪問前に三鷹市の公式情報をご確認ください。
三鷹の街を歩いていると、現在の景色だけを見てしまいがちです。
しかし、出山横穴墓群8号墓の前に立つと、この土地には約1400年前から人々の暮らしや文化が積み重なってきたことに気づかされます。
鉄道や文学、天文学だけではない、もっと古い三鷹の歴史。
大沢の里を訪れる機会があれば、豊かな自然や水辺の風景とあわせて、そこに静かに残されている「古代の三鷹」にも目を向けてみてはいかがでしょうか。