2026年 10月

でんきちBRANCH調布 三鷹通り店【家電量販店でんきち】です。

三鷹市には、街の歴史を今に伝える建物が残されています。

これまでこのブログでは、鉄道遺構や国立天文台、大沢の里など、さまざまな場所を取り上げてきました。今回は少し視点を変えて、建物そのものに注目してみたいと思います。
ご紹介するのは、三鷹市大沢にある「国際基督教大学(ICU)の本館」です。

緑豊かなキャンパスに建つこの建物は、現在は大学の校舎として使われていますが、その歴史をたどると、戦前の三鷹と深く関わっていることが分かります。
 

・大学の校舎に受け継がれた、かつての研究施設
国際基督教大学の本館は、もともと中島飛行機三鷹研究所の設計による建物を、戦後に大学校舎として活用したものです。
中島飛行機は、戦前から戦中にかけて日本の航空機産業を担った企業の一つです。三鷹にも研究施設が置かれ、この地域が航空機産業と関わりを持っていたことを伝えています。

現在の本館は、鉄筋コンクリート造の3階建てで、中央部分の上階を増築した特徴的な構成になっています。
今では大学の教育・研究を支える建物ですが、その成り立ちを知ると、三鷹が歩んできた歴史の一端を担ってきた建築物であることが見えてきます。
 

・建物に残る近代建築の特徴
国際基督教大学本館は、国の登録有形文化財(建造物)に登録されています。

文化財としての価値は、建物の古さだけにあるわけではありません。建築当時の構造や意匠、そして時代の変化に応じて用途を変えながら現在まで活用されている点にも注目したいところです。

本館は、建物の中央にホールを設け、そこから左右へ廊下を延ばす構成が特徴です。また、正面性を意識した外観も見どころの一つとなっています。

現在の大学キャンパスの中で見ると、周囲の緑と調和した落ち着いた建物に感じられますが、その背景には、近代建築の歴史と戦前・戦後の社会の変化があります。
建物の外観に目を向けるだけでなく、どのような目的で建てられ、どのように使われてきたのかを知ることで、見え方も変わってきます。
 

・「飛行機工場の町」だった三鷹の記憶
三鷹の歴史を振り返ると、現在の住宅街や緑豊かな景観からは想像しにくい、工業都市としての一面も見えてきます。
戦前から戦中にかけて、中島飛行機に関わる施設が置かれたことは、その一例です。

戦後、社会の状況が大きく変わるなかで、かつての研究施設は大学の校舎として活用されるようになりました。

同じ建物でも、時代によって担う役割は変わります。国際基督教大学本館は、そうした変化を実際の建築物を通して知ることができる存在です。
三鷹の歴史というと、文学や鉄道、天文学などに目が向きがちですが、建物を手がかりにすると、また違った街の姿が見えてきます。
 

・今も使われ続ける文化財
歴史的な建物の中には、保存を目的として公開されているものもあれば、現在も本来の用途や新たな用途で使われているものもあります。
国際基督教大学本館は、大学のキャンパスを構成する建物として、現在も活用されています。

過去の建物を単に残すだけでなく、使い続けることによって、その存在が日常の中に受け継がれていく。こうした点も、近代建築を知るうえで興味深いところです。

三鷹市内には、時代ごとの歴史を伝える文化財が点在しています。建物の形や構造だけでなく、その場所で何が行われ、どのように役割が変わってきたのかを知ると、街の歴史をより立体的に捉えられます。
 

・アクセス・見学について
所在地:東京都三鷹市大沢3丁目(国際基督教大学キャンパス内)

国際基督教大学は教育・研究を行う大学のキャンパスです。
一般の見学については、大学が案内する入構・見学ルールを事前に確認してください。
※本館内部の見学が常時可能とは限りません。訪問の際は大学公式サイトで最新の案内をご確認ください。

三鷹に残る歴史は、記念碑や資料の中だけにあるわけではありません。
国際基督教大学本館のように、現在も使われ続けている建物にも、かつての街の姿や時代の変化が刻まれています。

普段何気なく目にする建物も、その成り立ちを知ることで、地域の歴史を伝える大切な存在として見えてくるかもしれません。
今回は、三鷹の近代建築を通して、街に残るもう一つの記憶をたどってみました。